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探検者の心

「誰もが若者の柔軟性と好奇心を持って」と昨日はまとめたが、「ライフシフト」第6章「新しいステージ 選択肢の多様化」に本格的に入っていこう。

 一つ目は「エクスプローラー(探検者)」のステージだ。本の中に出てくるジェーンは世界を旅する中で、スペイン語の集中講義を学び、屋台ビジネスを経験し、いろいろな人との関係を築く。ジェーンのそんな姿に象徴的に込められているのは、世界を旅しなさいということではなく、さまざまな出会いの中で、自分の中に発生する好奇心や探究心と向き合い、それを生活に取り込む中で自分の中に育まれていくもの、つながる人間関係などを大切にしなさいということだ。

 何も海外旅行に行かないとエクスプローラーになれないということでは無い。もちろんこれからの時代、外国の人や文化との関わりは外せないが、大事なのは、観光旅行的に決められた仲間と決められたコースを周り、決められた店でお土産を買う旅行ではないということだ。

 日常過ごす場とは別な世界で、色々な人・もの・ことと出会い、「自分は何に一番心が動かされるか」「自分が大切にしたいものは何か」「自分はどういう人間なのか」などと、なにか「自分」という存在に対する問いを持って出かける「捜索者」タイプがある。

 それとは違い「冒険者」タイプの、未知の世界で発見する喜びを味わうことを目的とする人もいる。「はしゃいで跳ね回る」楽しさは、まさに柔軟性と好奇心のかたまりだ。いずれにしても、何を見て、誰と出会い、何を学ぶかといったことが、未来の人生の扉を開けていくのだ。そこに広がる風景が将来のステージのイメージとなるのだ。

 こんなエクスプローラーのことを考えていたら、たまたまNHKのヒューマニエンスという番組で「サイボーグ」というテーマを放送していた。「生きる」ことそのものがまさに未知の世界にどんどん入り込んできている。人間にいろいろな道具・機械が組み込まれ、当たり前に機能するようになってきている。そういう私も、歯はインプラントが3本埋め込まれているし、心臓はペースメーカーに補助されている。パラリンピックの義足で走る100メートル走者が、健常者のタイムを越える日も近いのではと思ってしまう。私の若い頃の20年と今の20年は全く社会の変容スピードが違う。シニア世代もエクスプローラー(探検者)となって、身近に迫る未知の世界を旅してみることだ。